トップ > 簡単な3DCGの制作 >
シーンを設定する

  

シーン設定

モデリングで犬の置物を形作り、マテリアルとテクスチャで質感と模様を表現できました。 残る作業は、シーン設定のみとなりました。 具体的には、ライティングとカメラの設定を行います

ライティングについて

現在、光源は自動的に作成されたポイントライト(コレクション "Light" に配置されている)しかありません。 しかし、現実の世界では、太陽光や蛍光灯、また、それらの光源からの反射光など、多くの方向から光が入ってきます

ライティングは、3DCGを制作する上で非常に重要な要素で、レンダリング結果の『自然さ』に大きな影響を与えます。

  
ライトが1つだけでは不自然になってしまう3DCGが、ライトを増やすだけで、より自然な結果に近づきます。

今回はライトを1つ追加し、合計2つのライトを配置します。 既存の1つ目のライトの種類はポイントライトですが、追加する2つ目のライトの種類はスポットライトにします。

なお、どちらのライトも犬の置物を明るく照らす適切な位置へ配置します

カメラの設定について

カメラは、犬の置物を斜め前から狙う位置に移動します。 また、犬の置物の全体が収まるように適切な距離まで離します。

なお、カメラが犬の置物の方向に自動的に向きを変えるようにトラッキング(追跡)の制約を設定します。 トラッキング先は犬の置物ではなく、『エンプティ』と呼ばれる実体のないオブジェクトとします。

  
エンプティを動かすと、カメラがエンプティを追って向きを変えるようになります。

ライティングとカメラの設定

まずは、ライトとカメラを再表示します。 つまり、コレクション "Light" とコレクション "Camera" の再表示です。

1. コレクション "Light" と "Camera" の目のアイコンをクリック
1. コレクション "Light" と "Camera" の目のアイコンをクリック

上図のように画面右上のOutlinerのコレクション "Light" と "Camera" の目のアイコンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

2. ライトとカメラが再表示される
2. ライトとカメラが再表示される

上図のようにライトとカメラが再表示されます。

ここで、3D Viewportの表示倍率を調整しましょう。 キーボードのHomeキーを押します

3. 3D Viewportの表示倍率が調整される
3. 3D Viewportの表示倍率が調整される

上図のように3D Viewportの表示倍率が調整されます。

では、スポットライトを追加します。 キーボードのSHIFT+Aを押します

4. Light -> Spotを実行
4. Light -> Spotを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Light" -> "Spot"を実行してスポットライトを追加します

5. 3Dカーソルの位置にスポットライトが追加される
5. 3Dカーソルの位置にスポットライトが追加される

上図のように3Dカーソルの位置にスポットライトが追加され、かつ、選択された状態になります。

この位置だと犬の置物は照らされませんので上に動かします。 移動ツールに切り替えてスポットライトを移動しましょう。

6. ツールバーの移動ツールを選択
6. ツールバーの移動ツールを選択

上図のように3D Viewportの左端にあるツールバーから移動ツールを選択します(またはキーボードのSHIFT+スペースキー -> G(ジー)を押します)。

では、青ハンドルをドラッグしてスポットライトを上へ移動しましょう。

7. スポットライトを上へ移動する
7. スポットライトを上へ移動する

上図のようにスポットライトを上へ移動します

次に、最初から置かれているポイントライトも移動させます。 キーボードのテンキーの7を押し、上面図の位置に視点を移動します。

8. 視点を上面図の位置へ移動
8. 視点を上面図の位置へ移動

上図のように視点が上面図の位置へ移動します。 次に、ポイントライトを選択します。

9. ポイントライトを選択する
9. ポイントライトを選択する

上図のようにポイントライトを選択します。 では移動させましょう。 犬の顔を横から照らすように、鼻の横まで移動します

10. ポイントライトを鼻の横まで移動する
10. ポイントライトを鼻の横まで移動する

上図のようにポイントライトを鼻の横まで移動します。

ではここで視点を側面図に変えましょう。 ポイントライトの高さを見るためです。 キーボードのテンキーの3を押します。

11. 視点を側面図の位置へ移動
11. 視点を側面図の位置へ移動

上図のように視点が側面図の位置へ移動します。 ポイントライトの高さはこれでいいです。 これ以上の移動は必要ありません


ここからはカメラの設定を行います。 すでに説明したように、実体のないオブジェクト『エンプティ』を作成し、犬の置物との間にトラッキングの制約を設定します。 エンプティを動かすと、カメラがエンプティを追って向きを変えるようにします。

また、カメラの位置を移動し、犬の置物の全体を斜め前から写せるようにします。

では、エンプティを作成します。 キーボードのSHIFT+Aを押します

12. Empty -> Cubeを実行
12. Empty -> Cubeを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Empty" -> "Cube"を実行して形状が立方体のエンプティを追加します

13. 3Dカーソルの位置にエンプティが追加される
13. 3Dカーソルの位置にエンプティが追加される

上図のように3Dカーソルの位置にエンプティが追加され、かつ、選択された状態になります。

エンプティというのは、実体のないオブジェクトです。 3D Viewport上には表示されますし、選択や移動・回転・拡大縮小することもできます。

ただし、レンダリング結果には描かれません。 つまり、カメラには写りません。

では、カメラがエンプティを追跡するように設定しましょう。 トラッキングの制約を設定するには、トラッキングするオブジェクトとトラッキングされるオブジェクトをまとめて選択しておく必要があります

なお、最後に選択したオブジェクトが、トラッキングされるオブジェクトとなります。 つまり、最初にカメラを選択し、次にエンプティを選択しなければなりません。

では、カメラから選択しましょう。

14. カメラを選択する
14. カメラを選択する

上図のようにカメラを選択します。 カメラだけが選択されていることを確認してください

続いて、エンプティを追加選択します。 キーボードのSHIFTキーを押しながら選択しましょう

15. エンプティが追加選択される
15. エンプティが追加選択される

上図のようにエンプティが追加選択されます。

ではここで、カメラに注目してください。 カメラの選択状態を表すオレンジ色が濃くなっているのがわかります

複数のオブジェクトを選択した場合は、最後に選択したオブジェクトは通常のオレンジ色ですが、それ以外のオブジェクトは濃いオレンジ色で描かれます。

では、トラッキングの制約を設定します。

16. Object -> Track -> Track To Constraintを実行
16. Object -> Track -> Track To Constraintを実行

上図のように3D Viewportのプルダウンメニューの"Object" -> "Track" -> "Track To Constraint"を実行します。

17. カメラとエンプティが青色の破線で結ばれる
17. カメラとエンプティが青色の破線で結ばれる

上図のようにカメラとエンプティが青色の破線で結ばれます。 また、カメラがエンプティの方へ向きを変えました。

青色の破線は、カメラとエンプティの間にトラッキングの制約が設定されたことを示しています。 エンプティを動かすと、カメラがエンプティを追って向きを変えるようになっています。

エンプティを移動させて試してみましょう。 まずは、エンプティのみを選択します。

18. エンプティのみを選択する
18. エンプティのみを選択する

上図のようにエンプティのみを選択します。

ではエンプティを上へ移動します。

19. カメラがエンプティをトラッキングしている
19. カメラがエンプティをトラッキングしている

上図のようにカメラがエンプティを追って向きを変えました。 トラッキングの制約が機能していることが確認できました

続いては、カメラの移動です。 犬の置物の全体を斜め前から写せる位置へ移動します。

まずは、現在のカメラ視点でどう写るのかを見てみましょう。 キーボードのテンキーの0を押してください。

20. 視点がカメラ位置へ
20. 視点がカメラ位置へ

上図のように視点がカメラ位置へ移動します。 なお、暗く描かれている外側の領域はカメラに映らないことを意味しています。

カメラが近すぎて話にならないことがわかりました。 大きくカメラを離す必要がありそうです

では、キーボードのテンキーの7を押し、上面図の位置に視点を移動します。

21. 視点が上面図の位置へ移動する
21. 視点が上面図の位置へ移動する

上図のように視点が上面図の位置へ移動します。

現在の表示倍率ではカメラは大きく離せません。 ズームアウトして表示倍率を下げましょう。

22. ズームアウトする
22. ズームアウトする

上図のようにズームアウトします。

では、カメラを大きく離しましょう。

23. 犬の置物2つ分ほどの距離に移動する
23. 犬の置物2つ分ほどの距離に移動する

上図のように犬の置物2つ分ほどの距離に移動します。

では、カメラ視点で確認してみましょう。 キーボードのテンキーの0を押します。

24. 視点がカメラ位置へ
24. 視点がカメラ位置へ

上図のように距離はこれで大丈夫ですが、足が収まっていません。 カメラを少し下げる必要があります

では、エンプティを下げて調整しましょう。

25. エンプティを下げてカメラを下に向ける
25. エンプティを下げてカメラを下に向ける

上図のようにエンプティを下げることでカメラを下に向けます。

  
  

まとめ

オブジェクトはトラッキングの制約を持たせることができます。 トラッキング先のオブジェクトが移動すると、トラッキング元のオブジェクトは追従して向きを変えます。

操作/コマンド 説明
(3D Viewportのプルダウンメニュー)
"Object" -> "Track" -> "Track To Constraint"
トラッキングの制約を設定する
※トラッキングされるオブジェクトは最後に選択する
メニュー