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セルアニメーション風にレンダリング(Eeveeのみ)(その3)

  

トゥーンレンダリングでセルアニメーション風にしてみよう(続き)

前の記事の『セルアニメーション風にレンダリング(Eeveeのみ)(その2)』からの続きです。 引き続き、Eeveeでのセルルックレンダリングについて解説します。

シェーダノードネットワークでセルルックレンダリング - Eeveeの場合 -(続き)

次に、ColorRampノードとMaterial Outputノードの間にMixRGBノードを追加します。 MixRGBノードは2つの入力を混ぜるためのノードであり、ColorRampノードの出力と(最初に切断した)Image Textureノードを混ぜるために利用します。

  
Blender 3.4以降はMixRGBノードは廃止され、代わりにMix Colorノードが登場しました。 Blender 3.4 / 3.5 / 3.6を利用している場合は、MixRGBノードの代わりにMix Colorノードを利用してください
51. MixRGBノードを追加する
51. MixRGBノードを追加する

上図のようにMixRGBノードを追加します(AddメニューのColor -> MixRGBから追加)。

  
Blender 3.4 / 3.5 / 3.6を利用している場合は、MixRGBノードの代わりにMix Colorノードを利用してください(AddメニューのColor -> Mix Colorから追加)。

なお、MixRGBノードのタイトルが "Mix" になっていますが、これはBlending ModeがMixになっているからです。 MixRGBノードは2つの入力を混ぜるためのノードですが、計算方法(Blending Mode)には種類があり、タイトルに描かれる文字は選択中のBlending Modeとなります

では次に、MixRGBノードのBlending Modeを Mix(加算) から Multiply(乗算) に変更します。

52. MixRGBノードのBlending Mode を Multiply に
52. MixRGBノードのBlending Mode を Multiply に

上図のようにMixRGBノードのBlending Mode を Multiply に変更します。 なお、変更したことで、MixRGBノードのタイトルが "Multiply" に変化します。

Blending ModeをMultiplyにすると、Color1 に Color2 が乗算されるようになります。 なお、FactorはColor1とColor2の混合におけるColor2の比重を表しています(Factorが大きいほどColor2の影響が大きくなる)。

では3D Viewportのプレビュー表示を見てみましょう。

53. 3D Viewportの表示
53. 3D Viewportの表示

上図のように少し暗くなっています。 暗くなった理由は、MixRGBノードによる乗算の影響です

現状、Color2は50%の灰色、つまり 0.5 です。 ColorRampノードから入力されたColor1に 0.5 が乗算されるわけですから暗くもなります。 なお、Factorが 0.5 であるため少し暗くなる程度の影響で済んでいます

ではここで、接続線をつなぎ直します。 ColorRampノードの出力をMixRGBノードのColor2につなぎ直します

54. ColorRampノードの出力をMixRGBノードのColor2つなぎ直す
54. ColorRampノードの出力をMixRGBノードのColor2つなぎ直す

上図のようにColorRampノードの出力をMixRGBノードのColor2につなぎ直します。 なお、Color1へつながっていた接続線は切断してください。 Color1とColor2の両方につながっている状態にはしないでください

ではここで、MixRGBノードに注目してください。

55. Color1用のカラーフィールドが出現した
55. Color1用のカラーフィールドが出現した

上図のように入ソケットが切断されたことでColor1用のカラーフィールドが出現しました

では、出現したカラーフィールドに赤色を設定してください。 なお、これは一時的なもので最終的にはテクスチャ画像を貼り付けます。

56. Color1のカラーフィールドに赤色を設定する
56. Color1のカラーフィールドに赤色を設定する

上図のようにColor1のカラーフィールドに赤色を設定します

ここで度レンダリングしておきましょう。 キーボードのF12を押してください。

57. レンダリング結果
57. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が表示されます。 3段階の赤色の陰影で表現されています。

赤色はMixRGBノードのColor1の設定によるもので、3段階の陰影はColorRampから渡されたColor2によるものです

では、仕上げとしてMixRGBノードのColor1にテクスチャ画像が渡るようにします。 具体的には、最初に切断したImage TextureノードをMixRGBノードのColor1に接続します

まずは、ColorRampノードの位置を下げて空間を確保します。

58. Image Textureノード用の空間を確保する
58. Image Textureノード用の空間を確保する

上図のようにImage Textureノード用の空間を確保します。 では、この空間にImage Textureノードを移動させましょう

59. Image Textureノードを移動させる
59. Image Textureノードを移動させる

上図のようにImage Textureノードを移動させます。 なお、Image Textureノードは他のノードとはまだ接続されていません

ここでノードの整理をしておきます。

60. ノードを整理する
60. ノードを整理する

上図のようにノードを整理します。

では、Image TextureノードとMixRGBノードを接続します

61. Image TextureノードのColorをMixRGBノードのColor1に接続する
61. Image TextureノードのColorをMixRGBノードのColor1に接続する

上図のようにImage TextureノードのColorをMixRGBノードのColor1に接続します

ではレンダリングしてみましょう。 キーボードのF12を押します。

62. レンダリング結果
62. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が表示されます。 テクスチャが貼り付けられ、かつ、陰影が3段階で表現されています。

ただし、暗い部分の陰影がやや明るすぎです。 もっと暗くしましょう。 といっても、ColorRampの左端のカラーストップは黒色であり、これ以上は暗くできません。

ではどうやって調整すればいいのでしょうか。 方法はいくつかあると思いますが、今回はMixRGBノードのFactorで調整しましょう

63. MixRGBノードのFactorを 0.8 に
63. MixRGBノードのFactorを 0.8 に

上図のようにMixRGBノードのFactorを 0.8 に変更します。 つまり、ColorRampからの入力の影響度を増やします

では、キーボードのF12を押してレンダリングしてみましょう。

64. レンダリング結果
64. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が表示されます。 暗い部分の陰影をより暗くすることができました

では最後に輪郭線を足します。 セルアニメーション風レンダリングならば、やはり輪郭線が欲しいです。 設定は、PropertiesのRender Propertiesタブから行います。

65. Render PropertiesタブのFreestyleパネルのチェックボックスをオンに / LIne Thicknessを 2.0 に
65. Render PropertiesタブのFreestyleパネルのチェックボックスをオンに / LIne Thicknessを 2.0 に

上図のようにPropertiesの(1)のRender Propertiesタブにある(2)のFreestyleパネルのチェックボックスをオンにし、(3)のLine Thicknessを 2.0 にします

では、最終チェックです。 キーボードのF12を押してレンダリングしてください。

66. レンダリング結果
66. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が表示されます。 クッキリとした3段階の陰影で、かつ、輪郭線も描かれています。 このようにFreestyleをオンにすることで、簡単に輪郭線を足すことができます

最後に、ノードネットワークの全体図を掲載します。 クリックすることで拡大表示することができます。

最終的なノードネットワークの拡大図画像を拡大する
最終的なノードネットワークの拡大図

シェーダノードネットワークでセルルックレンダリング - Cyclesの場合 -

CyclesではShader to RGBノードが利用できません。 よって、この記事で紹介した方法でのセルアニメーション風レンダリングは行なえません。

なお、ボリュームシェーダのEmissionシェーダを使うことで、Cyclesでもセルアニメーション風に近づけることはできます。

  

より本格的な手法について

この記事で紹介したセルアニメーション風レンダリングの手法は簡易的なものです。 本格的なレンダリング手法については、ネットで検索すれば多くの情報が見つかります。 参考例として、以下に動画を紹介します。

Toon Shader Tutorial - Part 1

Toon Shader Tutorial - Part 2

Toon Shader Tutorial - Part 3

Toon Shader Tutorial - Part 4

Toon Shader Tutorial - Part 5

Toon Shader Tutorial - Part 6
  

まとめ

MixRGBノードで2つのノードの出力を混合することができます。 MixRGBノードには様々なBlending Modeが用意されています。

 
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