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インバースキネマティクス(IK)で骨格を簡単に動かす(その5)

  

インバースキネマティクス(IK)で関節を末端から曲げる(続き)

前の記事の『インバースキネマティクス(IK)で骨格を簡単に動かす(その4)』からの続きです。 引き続き、インバースキネマティクスの使用例を紹介します。

インバースキネマティクスを使ってみよう(続き)

続いては、やっておきたい作業の2つ目『制御用ボーンの表示形状のカスタマイズ』を実施します。 ネット上で公開されているリグ付きのキャラクタモデルなどで、制御用ボーンが立方体や円錐で表示されるものを見たことがないでしょうか。

ここからは、それを実現する方法を解説します。 なお、今回は膝制御用ボーンの表示形状を変えてみます。

まず最初に、好きな形状のメッシュを作成します。 なお、このメッシュを制御用ボーンの形状として利用します。 今回は立方体のメッシュを追加しましょう。

メッシュを作成しますので、ポーズモードからオブジェクトモードに切り替えなくてはなりません。

60. オブジェクトモードに切り替える
60. オブジェクトモードに切り替える

上図のようにオブジェクトモードに切り替えます。 では、立方体のメッシュを追加しましょう。 キーボードのSHIFT+Aを押します。

61. Mesh -> Cubeを実行
61. Mesh -> Cubeを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Mesh" -> "Cube"を実行して立方体のメッシュを追加します

62. 立方体のメッシュが追加される
62. 立方体のメッシュが追加される

上図のように立方体のメッシュが追加されます。 クマのメッシュが見づらくなりましたが、大丈夫です。 非表示にしますから。

では、このメッシュを非表示にします。 キーボードのHを押してください

63. 立方体のメッシュが非表示になる
63. 立方体のメッシュが非表示になる

上図のように立方体のメッシュが非表示になります。

これで準備ができました。 次に、非表示にした立方体のメッシュを制御用ボーンの形状に利用します。 まずはアーマチュアを選択しましょう。

64. オブジェクトモードでアーマチュアを選択する
64. オブジェクトモードでアーマチュアを選択する

上図のようにオブジェクトモードでアーマチュアを選択します。

続いて、ポーズモードに切り替えます。 ボーンの表示形状のカスタマイズは、ポーズモードでしか行なえません

65. ポーズモードで膝制御用ボーンを選択する
65. ポーズモードで膝制御用ボーンを選択する

上図のようにポーズモードに切り替えて膝制御用ボーンを選択します。 では表示形状をカスタマイズしましょう。

66. Custom ObjectにCubeを選択する
66. Custom ObjectにCubeを選択する

上図のように(1)のBone PropertiesタブのViewport Displayパネルにある(2)のCustom Objectに "Cube" を選択します

67. 膝制御用ボーンの表示形状が立方体になる
67. 膝制御用ボーンの表示形状が立方体になる

上図のように膝制御用ボーンの表示形状が立方体になります。 ただし、大きすぎです。 表示倍率を下げましょう

68. Scale X / Y / Zを 0.2 に変更する
68. Scale X / Y / Zを 0.2 に変更する

上図のようにScale X / Y / Zを 0.2 に変更します。

69. 膝制御用ボーンの表示倍率が小さくなる
69. 膝制御用ボーンの表示倍率が小さくなる

上図のように膝制御用ボーンの表示倍率が小さくなります。 いい感じですね。

  
今回の例では、立方体のメッシュは非表示にしただけですが、もっとよい方法もあります。 専用のコレクションを用意してそこにメッシュを格納し、コレクションごと非表示にするという方法です。

最後に、やっておきたい作業の3つ目『右側用の制御用ボーンの作成』を行います。 対称化の機能を使うことで、左側用のボーンから自動的に作成することができます。

では、エディットモードでに切り替えて、制御用ボーンを両方とも選択しましょう。

70. エディットモードで制御用ボーンを選択する
70. エディットモードで制御用ボーンを選択する

上図のようにエディットモードで制御用ボーンを両方とも選択します。

では、これらのボーンを対称化しましょう。

71. Armature -> Symmetrizeを実行
71. Armature -> Symmetrizeを実行

上図のように3D Viewportのプルダウンメニューの"Armature" -> "Symmetrize"を実行します。

側面図の視点では確認しづらいので、キーボードのテンキーの4を4回押して視点を移動しましょう

72. 視点が斜め前の位置へ移動する
72. 視点が斜め前の位置へ移動する

上図のように視点が斜め前の位置へ移動します。 右側用の制御用ボーンが増えているのがわかります

  
Blender 4.X系では、視点を動かしても投影方法が平行投影のままになります(透視投影に戻りません)。 本ウェブサイトの記事の通りに進めたい場合は、ここで透視投影に戻しておきましょう。 キーボードのテンキーの5を押すことで、透視投影と平行投影が交互に切り替わります。
  
この対称化の機能を利用するため、ボーンの名称の末尾に "_L" (または "-L" / ".L" ) を付加しました。

では非表示のボーンを再表示しましょう。 キーボードのALT+Hを押します

73. ボーンが再表示される
73. ボーンが再表示される

上図のようにボーンが再表示されます。 見づらいので、キーボードのALT+Aを押して全選択解除しましょう

74. ボーンが全選択解除される
74. ボーンが全選択解除される

上図のようにボーンが全選択解除され見やすくなりました。

なお、対称化によって右側用の制御用ボーンが作られましたが、インバースキネマティクスの設定等は別途必要です

  
  

まとめ

アーマチュアのボーンは、表示形状をカスタマイズすることができます。 メッシュを加工して好きな形状を作り、それをボーンの表示形状として利用することができます。 それらのメッシュは専用のコレクションに格納し、コレクションごと非表示にするのがいいでしょう。

アーマチュアのボーンは、簡単に左右対称にコピーすることができます。 ただし、ボーンの名称の末尾に "_L" (または "-L" / ".L" ) や "_R" (または "-R" / ".R" ) を付加しておく必要があります。

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