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投影方法と視点

  

投影方法および視点について

これから3DCG制作を始めるにあたり、知っておかなければならないのが投影方法と視点です。 この記事では、投影方法および視点について説明しますので、実際に操作を行ってみてください。

投影方法とは

Blenderで制作する3DCGは、立体的な情報の集まりです。 しかし、作業を行うためのモニタ画面はもちろん平面です。 つまり、3次元の立体物が2次元の平面に写し出されているのです。

3次元の立体物を2次元の平面に写すことを投影いい、投影方法はその計算方法のことです。

Blenderでは、透視投影(Perspective)と平行投影(Orthographic)の2種類の投影方法を使用することができ、状況に応じて投影方法を切り替えながら編集作業を行います

透視投影と平行投影
透視投影と平行投影

透視投影では、同じ大きさの物体は遠くに位置するものが小さく、近くに位置するものが大きく描かれます。 これはいわゆる遠近法のことで、肉眼で見た場合と同じような投影結果となります。 なお、透視投影は中心投影ともいい一般的にはパースと呼ばれることもあります

一方、平行投影では同じ大きさの物体は、遠くに位置するものも近くに位置するものも同じ大きさで描かれます。 平行投影には、配置されている物体の大きさの比較がしやすいという利点があります。

  
初期設定では、透視投影が初期値として設定されています。

投影方法の切り替え

キーボードのテンキーの5を押すことで、透視投影と平行投影が交互に切り替わります

  
3D Viewportをアクティブにする...つまりマウスカーソルが3D Viewport上にある必要があります。
  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。

または、3D Viewportのプルダウンメニューの"View" -> "Perspective/Orthographic"の実行でも同様に透視投影と平行投影が交互に切り替わります。

現在どの投影方法が選択されているかは、3D Viewportの左上の表示で確認することができます。 左上に"XXXX Perspective"と表示されていれば透視投影、"XXXX Orthographic"と表示されていれば平行投影です。

ちなみに、上記の投影方法の切り替えは3D Viewport上の表示での投影方法の切り替えであって、レンダリング時の投影方法には影響しません。 レンダリング時の投影方法は、Propertiesのカメラの設定によって行います

視点について

立体的な物体を編集するには、視点を移動させながら様々な位置・方向から作業を行う必要があります。 Blenderでは、レンダリング時にはカメラが視点となりますが、編集時の視点は自由に動かすことができます

カメラ視点

キーボードのテンキーの0を押すことで、視点がカメラ位置に移動します。 再度、キーボードのテンキーの0を押すと、視点は移動前の位置・方向に戻ります。

  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。

正面図(背面図)、側面図、上面図(下面図)

キーボードのテンキーの1で正面図、3で側面図(右側)、7で上面図の位置に視点が移動します。 なお、視点の方向は、初期状態では画面中心に向きます

また、キーボードのCTRLキーを同時に押すことで、それぞれの反対側の位置である背面図、側面図(左側)、下面図に視点が移動します。

  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。

視点の旋回(回り込み)

キーボードのテンキーの4を押すことで、視点がZ軸を中心に左方向に15度旋回(回り込み)します。 同様にテンキーの6でZ軸を中心に右方向に旋回(回り込み)します。

また、テンキーの2現在の始点を基準に下方向に、8で上方向に旋回(回り込み)します。

もちろん、マウス操作でも視点を旋回させることができます。

  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。
視点の旋回(回り込み)
視点の旋回(回り込み)

上図のようにマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)でドラッグすることでも視点を旋回(回り込み)することができます。

視点の平行移動

キーボードのCTRLキーを押しながらテンキーの4628を押すことで、視点が左方向・右方向・上方向・下方向に平行移動します。

もちろん、マウス操作でも視点を平行移動させることができます。

  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。
視点の平行移動
視点の平行移動

上図のようにキーボードのSHIFTキーを押しながらマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)でドラッグすることで視点を平行移動することができます。

ズームインとズームアウト

キーボードのテンキーの+を押すことで、画面中心に向かってズームイン、キーボードのテンキーの-を押すことでズームアウトします。

マウス操作でもズームイン・ズームアウトすることができます。 マウスのホイール(マウスのホイール)の上回転でズームイン、下回転でズームアウトします。

  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。
視点のズームイン・ズームアウト
視点のズームイン・ズームアウト

上図のようにキーボードのCTRLキーを押しながらマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)で上下ドラッグすることでもズームイン・ズームアウトすることができます。

表示倍率の自動調整

キーボードのHomeキーを押すと、全体が視界に収まるように表示倍率が調整されます。

また、キーボードのテンキーの.(ピリオド)を押すと、選択中の全てのオブジェクトやメッシュが視界に収まるように調整されます。

  
後述するナビゲーションギズモでも操作することができます。 ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合には、ナビゲーションギズモで操作しましょう。
  

ナビゲーションギズモの使い方

ナビゲーションギズモを使うことで、3D Viewport内の仮想世界を簡単に旅することができます。 簡単なマウス操作だけで、視点の旋回・表示倍率の増減・視点の平行移動・カメラ視点への切り替え・投影方法の切り替えを行うことができます。

ナビゲーションギズモは、ノートPCのようなテンキーのないキーボードを利用している場合に便利です。

旋回ギズモ

旋回ギズモ
旋回ギズモ

旋回ギズモは、3D Viewport内の仮想世界のX軸/Y軸/Z軸の方向を示してくれるものです。 今どの方向を向いているかなどを簡単に確認することができるため、方向を見失う心配はありません。

  
X軸は赤、Y軸は緑、Z軸は青で表されます。 "X"・"Y"・"Z"の文字が描かれている側の丸ハンドルが正方向(プラス方向)で、文字の描かれていない丸ハンドルが逆方向(マイナス方向)です。

また、旋回ギズモは、視点を旋回させるためにも使えます。 軸の先にある赤色・緑色・青色の丸ハンドルをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグすることで視点を旋回させることができます。 ドラッグではなくクリックすることで、視点の方向をピッタリと軸に合わせることもできます。

表示倍率の増減ボタン

表示倍率の増減ボタン
表示倍率の増減ボタン

表示倍率の増減ボタンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグすることで表示倍率を増減させることができます。 上方向へのドラッグでズームイン、下方向へのドラッグでズームアウトします。

視点の平行移動ボタン

視点の平行移動ボタン
視点の平行移動ボタン

視点の平行移動ボタンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグすることで視点を平行移動させることができます。 ドラッグした方向に視点が平行移動します。

カメラ視点への切り替えボタン

カメラ視点への切り替えボタン
カメラ視点への切り替えボタン

カメラ視点への切り替えボタンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックすると、視点がカメラ視点・元の視点に交互に切り替わります

投影方法の切り替えボタン

投影方法の切り替えボタン
投影方法の切り替えボタン

投影方法の切り替えボタンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックすると、投影方法が透視投影・平行投影に交互に切り替わります

なお、現在の投影方法によってアイコンが変化します。 台形なら透視投影で、正方形なら平行投影です。

  

まとめ

Blenderの投影方法には透視投影と平行投影があり、透視投影では完成後のイメージを把握しやすく、平行投影では大きさの比較がしやすいという長所があります。

3D Viewportでの投影方法は、キーボードのテンキーの5で交互に切り替えることができます。 なお、初期値は透視投影となっています。

操作/コマンド 説明
5(テンキー) 透視投影と平行投影を交互に切り替える

視点は自由に移動することができるようになっています。 中でも頻繁に利用する、正面図(背面図)、側面図、上面図(下面図)については、コマンドで直接移動できるようになっています。

操作/コマンド 説明
0(テンキー) 視点をカメラ位置に移動する/元の位置に戻す
1(テンキー) 視点を正面図に移動する
CTRL+1(テンキー) 視点を背面図に移動する
3(テンキー) 視点を側面図(右側)に移動する
CTRL+3(テンキー) 視点を側面図(左側)に移動する
7(テンキー) 視点を上面図に移動する
CTRL+7(テンキー) 視点を下面図に移動する

視点は旋回(回り込み)させることができます。 なお、初期設定では旋回(回り込み)の単位は15度に設定されています。

操作/コマンド 説明
4(テンキー) Z軸を中心に視点を左方向に旋回(回り込み)する
6(テンキー) Z軸を中心に視点を右方向に旋回(回り込み)する
2(テンキー) 現在の始点を基準に視点を下方向に旋回(回り込み)する
8(テンキー) 現在の始点を基準に視点を上方向に旋回(回り込み)する
マウスの中ボタン(マウスの中ボタン)のドラッグ 視点の旋回(回り込み)

また、視点は平行移動することもできます。 平行移動では、視点の方向が変わることなく、位置だけを移動することができます。

操作/コマンド 説明
CTRL+4(テンキー) 視点を左方向に平行移動する
CTRL+6(テンキー) 視点を右方向に平行移動する
CTRL+2(テンキー) 視点を下方向に平行移動する
CTRL+8(テンキー) 視点を上方向に平行移動する
SHIFT+マウスの中ボタン(マウスの中ボタン)のドラッグ 視点の平行移動

視点はズームイン・ズームアウトすることもできます。 ズームアウトして全体を見渡し、ズームインして細かい部分の修正を行います。

操作/コマンド 説明
+(テンキー)
(または)
マウスのホイール(マウスのホイール)の上回転
ズームイン
-(テンキー)
(または)
マウスのホイール(マウスのホイール)の下回転
ズームアウト
CTRL+マウスの中ボタン(マウスの中ボタン)の上下ドラッグ ズームイン・ズームアウト
Homeキー 全体が視界に収まるように表示倍率を調整
.(ピリオド)(テンキー) 選択中の全てのオブジェクトやメッシュが視界に収まるように表示倍率を調整
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