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セルアニメーション風にレンダリング(Eeveeのみ)(その2)

  

トゥーンレンダリングでセルアニメーション風にしてみよう(続き)

前の記事の『セルアニメーション風にレンダリング(Eeveeのみ)』からの続きです。 引き続き、Eeveeでのセルルックレンダリングについて解説します。

シェーダノードネットワークでセルルックレンダリング - Eeveeの場合 -(続き)

これで、3D Viewportでプレビューするための準備が整いました。 後は、Shader Editorでシェーダノードネットワークを構築していくだけです

次に、Shader Editorの表示倍率を調整しましょう。 テンキーの+(プラス)やマウスのホイール(マウスのホイール)の上回転で表示倍率を上げて見やすくしてください。

23. Shader Editorの表示倍率を調整する
23. Shader Editorの表示倍率を調整する

上図のようにShader Editorの表示倍率を調整します。

では、シェーダノードネットワークを編集していきましょう。 まずは、Image Textureノードを切り離します

24. 切断したい接続線をキーボードのCTRLキーを押しながらマウスの右ボタンでドラッグ
24. 切断したい接続線をキーボードのCTRLキーを押しながらマウスの右ボタンでドラッグ

上図のように切断したい接続線をキーボードのCTRLキーを押しながらマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

25. 接続線が切断される
25. 接続線が切断される

上図のように接続線が切断されます。 そして注目すべきなのが、Diffuse BSDFノードにColor用のカラーフィールドが出現したことです。 このように、入ソケットが切断されるとノード内に設定項目が出現します。

さらに、3D Viewportでの表示にも変化があります。

26. 3D Viewportの表示
26. 3D Viewportの表示

上図のようにテクスチャ画像が貼られなくなりました。 Image Textureノードが切り離され、白色が入力値として渡されるようになったためです

次に、Diffuse BSDFノードとMaterial Outputノードの間にShader to RGBノードを追加します。 このShader to RGBノードは非常に重要で、このノードがなければノンフォトリアルなレンダリング(写実的ではないレンダリング)は行なえません。

  
現状、ノードネットワークの始点はDiffuse BSDFノードです。 このDiffuse BSDFノードはBSDF形式の情報を出力するのですが、BSDF形式の情報というのは全てのノードで扱えるわけではありません。 トゥーンレンダリングを行うためにはColorRampノードを経由する必要があるのですが、ColorRampノードはBSDF形式は扱えないのです。
  
Shader to RGBノードはCyclesでは使えません。 そのため、この記事で紹介した方法でのセルアニメーション風レンダリングがCyclesでは行えないのです。

では、Shader to RGBノードを追加しましょう。 キーボードのSHIFT + Aを押します

27. Converter -> Shader to RGBを実行
27. Converter -> Shader to RGBを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Converter" -> "Shader to RGB"を実行します。

28. Shader to RGBノードが追加されて移動可能な状態になる
28. Shader to RGBノードが追加されて移動可能な状態になる

上図のようにShader to RGBノードが追加され、マウス操作やキーボードで移動可能な状態になります

では、追加されたShader to RGBノードをDiffuse BSDFノードとMaterial Outputノードの間の接続線の上に移動してください

29. Shader to RGBノードを接続線に重ねると接続線の色が変わる
29. Shader to RGBノードを接続線に重ねると接続線の色が変わる

上図のようにShader to RGBノードを接続線に重ねると接続線の色が変わります。 では、接続線に重ねた状態でマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)をクリックしてください(またはEnterキーを押してください)。

30. Shader to RGBノードが接続される
30. Shader to RGBノードが接続される

上図のようにDiffuse BSDFノードとMaterial Outputノードの間にShader to RGBノードが接続されます。 このように、接続線の上にノードを移動すると自動的に接続されます

  
新規にノードを追加した時だけでなく、接続線の上に移動することでいつでも自動接続させることができます。

ではここでノードを整理しましょう。 ノードの上部にあるタイトルバーをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグすることでノードを移動することができます。

なお、移動中にCTRLキーを押すことでグリッドにスナップ(吸い寄せ)させることができます。

31. ノードを整理する
31. ノードを整理する

上図のようにノードを移動して整理します。

ではここで、3D Viewportでのプレビュー表示がどうなっているかを見ておきましょう

32. 3D Viewportの表示
32. 3D Viewportの表示

上図のように3D Viewportでの表示には変化はありません。 Shader to RGBノードによって、Material Outputノードに渡されるデータがBSDF形式からColor形式に変わりましたが、加工はしていないため変化はありません

次に、Shader to RGBノードとMaterial Outputノードの間にColorRampノードを追加します。 なお、このColorRampノードがトゥーンレンダリングの中心的な役割を担います

33. ColorRampノードを追加する
33. ColorRampノードを追加する

上図のようにColorRampノードを追加します(AddメニューのConverter -> ColorRampから追加)。

ColorRampノードは定義されたグラデーションを出力するためのノードです。 グラデーションのどの色を出力するかは、前のノードから渡されたFactor(係数)の値から計算されます。 Factorが 0.0 ならグラデーションの左端の色が、1.0 なら右端の色が出力されます。

ではここで、3D Viewportでの表示を見てみましょう。

34. 3D Viewporの表示
34. 3D Viewporの表示

上図のように3D Viewporでの表示には変化はありません。 なぜなら、追加したColorRampノードが初期設定のままだからです。 ColorRampノードに設定されているグラデーションが黒色 -> 白色のグラデーションであるため、変換前後で全く同じ色になっているのです

そういうわけなので、ColorRampのグラデーションを変更します。 まずは、グラデーションが開始されるFactorの値を変更します。 現状、Factor 0.0 がグラデーションの開始位置ですが、これを 0.2 に変更します

35. 左端のツマミをクリックする
35. 左端のツマミをクリックする

上図のように左端のツマミをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。 ちなみに、このツマミはグラデーションの変化の基点を表しており、基点は『カラーストップ』と呼ばれます

36. 左端のカラーストップが選択される
36. 左端のカラーストップが選択される

上図のように左端のカラーストップが選択されます。 また、カラーストップを選択したことで、カラーストップの番号・位置・色が、選択したカラーストップの情報で更新されます

では、このカラーストップの位置を 0.2 に変更しましょう

37. Positionを 0.2 に変更する
37. Positionを 0.2 に変更する

上図のようにPositionを 0.2 に変更します。

ではここで、カラーストップのツマミに注目してください

38. カラーストップのツマミが移動している
38. カラーストップのツマミが移動している

上図のようにカラーストップのツマミが移動しています。 Positionを 0.2 に変更したため、左から20%の位置へ移動しました

次に、3D Viewportの変化を見てみましょう。

39. 3D Viewportの表示
39. 3D Viewportの表示

上図のように3D Viewportのプレビュー表示がやや暗くなっています。 暗くなった理由を順を追って説明します

まず、左端のカラーストップのPositionを 0.2 に変更しました。 左端のカラーストップは、グラデーションが開始されるFactorを表します。 つまり、Shader to RGBノードから渡されるFactorが 0.2 以上だとグラデーションが開始されます。 では、Factorが 0.2 未満はどうなるのでしょうか。 0.2 未満の場合は、左端のカラーストップに設定されている色(今回の例では黒色)が出力されます。

つまり現状では、Shader to RGBノードから渡されるFactorが 0.0 ~ 0.2 なら黒色になるのです。 今まではFactorが 0.0 なら黒色に、0.1 なら 10%の灰色に、0.2 なら 20%の灰色なっていました。 それが今では 0.2 未満なら無条件に黒色になるのです。 そのため、黒色になる部分が増え、結果として暗くなったのです

次に、グラデーションの終了位置を、1.0 から 0.3 に変更します。 つまり、渡されるFactorが 0.3 以上なら全て白色になります。

グラデーションの終了位置は右端のカラーストップです。 まずは、右端のカラーストップを選択します。

40. 右端のカラーストップをクリックする
40. 右端のカラーストップをクリックする

上図のように右端のカラーストップをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

41. 右端のカラーストップが選択される
41. 右端のカラーストップが選択される

上図のように右端のカラーストップが選択されます。 カラーストップの番号・位置・色が更新されていることから選択されたことがわかります

では、Positionを 0.3 に変更しましょう。

42. Positionを 0.3 に変更する
42. Positionを 0.3 に変更する

上図のようにPositionを 0.3 に変更します

43. カラーストップのツマミが移動している
43. カラーストップのツマミが移動している

上図のようにカラーストップのツマミが 0.3 の位置へ移動しています。

次に、3D Viewportのプレビュー表示がどうなったかも見てみましょう

44. 3D Viewportの表示
44. 3D Viewportの表示

上図のように明るい部分が増えました。 理由はもちろん、Factorが 0.3 以上なら白色が出力されるようになったためです

ではここで、もう1つカラーストップを追加します。 Positionが 0.25 で色は灰色(50%の灰色)とします。

45. [+]ボタンを押す
45. [+]ボタンを押す

上図のようにグラデーションバーの上にある[+]ボタンを押します。

46. カラーストップが追加される
46. カラーストップが追加される

上図のようにカラーストップが追加されます。 (1)のようにツマミは既存のカラーストップの中間位置に作られています。 また、(2)のようにPositionは 0.25 で色は灰色です。 見た目ではわかりませんが、(2)の色は50%の灰色です

このように、3つ目のカラーストップを追加すると既存のカラーストップの中間に追加されます。 つまり、Positionは中間位置に、色も中間の色になるのです。

ではここで、3D Viewportのプレビュー表示を見てみましょう

47. 3D Viewportの表示
47. 3D Viewportの表示

上図のように3D Viewporでの表示には変化はありません。 なぜなら、3つ目のカラーストップが中間の位置・中間の色で作成されたためです

では次に、ColorRampノードの補間オプション(Interpolation Options)を変更します。

48. Interpolation OptionsをRGB / Constantに
48. Interpolation OptionsをRGB / Constantに

上図のようにInterpolation Optionsを RGB / Constant に変更します。

変更したことで、どう変わったのでしょうか。 3D Viewportのプレビュー表示を見るとわかります

49. 3D Viewportの表示
49. 3D Viewportの表示

上図のように3D Viewporでの表示の陰影が3段階になりました。 補間オプションをConstantに変更したことで、色の変換がグラデーションではなくなったのです

では、ここでもう一度レンダリングしてみましょう。 キーボードのF12を押します。

50. レンダリング結果
50. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が表示されます。 陰影が3段階になっていることがハッキリとわかります。 このように、陰影がなめらかではなく階段状に変化することがトゥーンレンダリングの基本、というか最低限の表現方法です。

次の記事へ

長くなりましたので、そろそろ一区切りします。 解説の続きは次の記事を参照ください

  
  

まとめ

セルアニメーション風にレンダリングするにはColorRampノードで陰影を階段状に変換します。 そのためにはShader to RGBを挟む必要があります。

 
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