トップ > 知っておきたい機能 > シーンとビューレイヤ >
ビューレイヤとコレクション(その2)

  

レンダーレイヤがビューレイヤになりレイヤがコレクションになった(続き)

前の記事の『ビューレイヤとコレクション』からの続きです。 引き続き、昼と夜のレンダリングをビューレイヤで分ける例を紹介します。

昼と夜のレンダリングをビューレイヤで分ける例(続き)

これでレンダリングできる状態になりました。 しかし、その前にレンダリングエンジンをCyclesに変えておきます。 レンダリングエンジンをCyclesに変えるのは、レンダリングの様子をじっくり観察できるようにするためです。

標準レンダリングエンジンのEeveeではレンダリングが速すぎて何が起こっているのか理解しづらいため、Cyclesに変えます。 ただそれだけの理由です。

24. Render PropertiesタブにあるRender EngineをCyclesに変更する
24. Render PropertiesタブにあるRender EngineをCyclesに変更する

上図のようにPropertiesの(1)のRender Propertiesタブにある(2)のRender EngineをCyclesに変更します

では、キーボードのF12キーを押してレンダリングを開始してください。 レンダリングウィンドウが開きますので、何が起こるかを見ていてください

25. レンダリングが開始される
25. レンダリングが開始される

上図のようにレンダリングが開始され、立方体のメッシュが黄色で描かれ始めます。 そして、立方体のメッシュが黄色で描かれた後、今度はメッシュが赤色で描かれます。 つまり、2回レンダリングが行われます

  
Eeveeだと速すぎて2回レンダリングされているのが確認できません。

2回レンダリングが行われたのはビューレイヤが2つあるからです。 何も設定していない場合は、全てのビューレイヤのレンダリングが行われます

26. レンダリング結果
26. レンダリング結果

上図のように2回のレンダリングが終わると、最初のビューレイヤのレンダリング結果が表示されます

なお、レンダリングウィンドウは2つのビューレイヤのレンダリング結果を持っています。 レンダリングウィンドウの右上にあるレイヤ選択リストから、対象のビューレイヤを選択することができます

27. レイヤ選択リストから Night を選択する
27. レイヤ選択リストから Night を選択する

上図のようにレンダリングウィンドウの右上にあるレイヤ選択リストから "Night" を選択してみましょう。

28. ビューレイヤ Night のレンダリング結果が表示される
28. ビューレイヤ Night のレンダリング結果が表示される

上図のようにビューレイヤ "Night" のレンダリング結果が表示されます

ではここで、選択中のビューレイヤのみをレンダリングする設定について説明しておきます。

29. View Layer PropertiesタブにあるView LayerパネルのRender Single Layerをオンにする
29. View Layer PropertiesタブにあるView LayerパネルのRender Single Layerをオンにする

上図のようにPropertiesの(1)のView Layer PropertiesタブにあるView Layerパネルの(2)のRender Single Layerをオンにします

これで選択中のビューレイヤのみがレンダリングされます。 キーボードのF12キーを押して確認してみましょう。

30. ビューレイヤ Night のみがレンダリングされる
30. ビューレイヤ Night のみがレンダリングされる

上図のようにビューレイヤ "Night" のみがレンダリングされます。

ではここで、レンダリングウィンドウの右上にあるレイヤ選択リストから"Day" を選択してみましょう

31. レイヤ選択リストから Day を選択する
31. レイヤ選択リストから Day を選択する

上図のようにレンダリングウィンドウの右上にあるレイヤ選択リストから "Day" を選択してみます。

32. ビューレイヤ Day のレンダリング結果が表示される
32. ビューレイヤ Day のレンダリング結果が表示される

上図のようにビューレイヤ "Day" のレンダリング結果が表示されてしまいました。 なぜでしょうか。 実は前回のレンダリング結果が残っているだけですので心配ありません。


では最後に、コンポジットノードネットワークを操作して2つのビューレイヤの結果を合成してみましょう。 昼間のレンダリング結果と夜間のレンダリング結果を合成します

まずは、Compositorを表示させるためにワークスペースをCompositingに切り替えましょう。

33. ワークスペースをCompositingに切り替える
33. ワークスペースをCompositingに切り替える

上図のようにトップバーにあるワークスペース切り替えタブの "Compositing" をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

34. 上図のようにワークスペースがCompositingに切り替わる
34. 上図のようにワークスペースがCompositingに切り替わる

上図のようにワークスペースがCompositingに切り替わり、Compositorが表示されます

続いて、コンポジットノードネットワークを有効にします。

35. Use Nodesチェックボックスをオンにする
35. Use Nodesチェックボックスをオンにする

上図のようにCompositorのヘッダにあるUse Nodesチェックボックスをオンにします

36. コンポジットノードネットワークが表示される
36. コンポジットノードネットワークが表示される

上図のようにCompositor上にコンポジットノードネットワークが表示されます。 左右に2つ並んでいるボックスがノード(コンポジットノード)であり、それをつないでいる線が接続線です

  
接続線の正式名称は『スレッド』らしいのですが、わかりにくいので本ウェブサイトでは『接続線』と表記します。

ノードネットワークの表示倍率が小さくて見づらいので、大きくしましょう。 キーボードのHomeキーを押します

ではここで、Render Layersノードに注目してください。

37. シーンとビューレイヤ
37. シーンとビューレイヤ

上図のようにRender Layersノードの下部には、シーンとビューレイヤを選択するための項目があります。 Render Layersノードは、指定されたシーンを指定されたビューレイヤの設定に従ってレンダリングします。 そのため、シーンとビューレイヤを選択する必要があるのです

今回は昼間のレンダリング結果と夜間のレンダリング結果を合成します。 つまり、2つのビューレイヤでのレンダリング結果を合成します。 それには、2つのRender Layersノードが必要になります。

既存のRender Layersノードを複製することにしましょう。 Render Layersノードのみを選択してください

38. Render Layersノードのみを選択する
38. Render Layersノードのみを選択する

上図のようにRender Layersノードのみを選択します。

複製は3D Viewportと同じくSHIFT+Dで行います。 SHIFT+Dを押してください

39. Render Layersノードが複製される
39. Render Layersノードが複製される

上図のようにRender Layersノードが複製されます。

ではここで、ノードを整理しましょう。 ノードのタイトルバーをドラッグすることで、ノードを移動することができます。 なお、CTRLキーを押しながら移動することで、グリッドにスナップ(吸い寄せ)されます

40. ノードを整理する
40. ノードを整理する

上図のようにノードを整理します。

続いて、2つのRender Layersノードの出力を混合するためのMixノードを追加します。 キーボードのSHIFT+Aを押します。

41. Color -> Mixを実行
41. Color -> Mixを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Color" -> "Mix" を実行します。

  
Blender 4.X系では、"Color" -> "Mix" -> "Mix Color" と実行してください。
42. Mixノードが追加される
42. Mixノードが追加される

上図のようにMixノードが追加されます。 これで、必要なノードが全て揃いました

では、2つ目のRender LayersノードとMixノードをノードネットワークに接続しましょう。

43. 2つ目のRender LayersノードとMixノードをノードネットワークに接続する
43. 2つ目のRender LayersノードとMixノードをノードネットワークに接続する

上図のように2つ目のRender LayersノードとMixノードをノードネットワークに接続します。

次に、MixノードのFactorを 0.5 に変更します。 昼間のレンダリング結果と夜間のレンダリング結果を半々で混合するための設定です

44. MixノードのFactorを 0.5 に変更する
44. MixノードのFactorを 0.5 に変更する

上図のようにMixノードのFactorを 0.5 に変更します。

最後に、2つ目のRender LayersノードのLayerを "Night" にします。 今のままだと昼間のレンダリング結果と昼間のレンダリング結果の合成になってしまい、意味がありません。

45. 2つ目のRender LayersのLayerを Night に
45. 2つ目のRender LayersのLayerを Night に

上図のように2つ目のRender LayersのLayerを "Night" に変更します。 これで、ビューレイヤ "Night" の設定でレンダリングされるようになります

では、レンダリングしましょう。 キーボードのF12キーを押します。

46. レンダリング結果
46. レンダリング結果

上図のようにレンダリング結果が表示されます。 昼間のレンダリング結果と夜間のレンダリング結果が合成されているのがわかります。

最後に、ノードネットワークの全体図を掲載します。 クリックすることで拡大表示することができます。

最終的なノードネットワークの拡大図画像を拡大する
最終的なノードネットワークの拡大図
  
  

まとめ

コンポジットノードネットワークを構築することで、2つのビューレイヤの結果を合成することができます。

メニュー