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移動・回転・拡大縮小によるアニメーション

  

オブジェクトの変形によるグリースペンシルの2Dアニメーション

前の記事では、グリースペンシルの使い方の基礎的な部分を説明しました。 ここからは、グリースペンシルを使用した2Dアニメーションの解説に入ります。

この記事では、グリースペンシルオブジェクトを(オブジェクトとして)変形(移動・回転・拡大縮小)させて2Dアニメーションを制作する方法を解説します。

制作するアニメーション

制作例 -グリースペンシルでの移動・回転・拡大縮小による2Dアニメーション -

グリースペンシルで描いた円が落下し、地面に当たって跳ね返ります。 落下中は縦に伸び、地面付近では縦に潰れ、跳ね上がった後はまた縦に伸びます。 なお、地面は描いていません(地面は見えません)。

作業の概要

まず、グリースペンシルを使って円を描きます。 次に、特定のフレームに円の位置と拡大縮小率のキーフレームを登録します。 『1フレーム目はこの位置と拡大縮小率』、『20フレーム目はこの位置と拡大縮小率』というように、円の位置と拡大縮小率のキーフレームを登録していきます。

なお、位置と拡大縮小率は同時にキーフレームを登録することができます

  

アニメーションをつける

では、実際にグリースペンシルを使った2Dアニメーションを制作しましょう。 ただし、前の記事のように2D Animationの新規ファイルを開くことはしません。

いつものようにGeneralの新規ファイルを開いた状態から作業を始めます。 トップバーのプルダウンメニューの"File" -> "New" -> "General" を実行してください。

グリースペンシルで絵を描ける状態にする

まずは、グリースペンシルが使える状態にします。 Generalの新規ファイルを開いたら、次に、ワークスペース "2D Animation" を追加します。 2Dアニメーションに最適なワークスペースです。

1. ワークスペースのタブ群の右の[+]ボタンをクリック
1. ワークスペースのタブ群の右の[+]ボタンをクリック

上図のようにワークスペースのタブ群の右の[+]ボタンをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でクリックします。

  
ウィンドウの幅が狭い(約1500ピクセル以下)場合は、ワークスペース切り替えタブの全ては表示されません。 その場合はタブ群の上でマウスのホイール(マウスのホイール)を下回転させるか、マウスの中ボタン(マウスの中ボタン)でタブ群をドラッグします。
2. 2D Animation -> 2D Animationを実行
2. 2D Animation -> 2D Animationを実行

上図のように"+ Add Workspace"というタイトルのメニューが表示されますので、"2D Animation" -> "2D Animation"を実行します。

3. "2D Animation"のタブが追加される
3. "2D Animation"のタブが追加される

上図のようにワークスペース "2D Animation" のタブが追加されます。

では、追加されたワークスペース "2D Animation" のタブを先頭に移動しましょう。 先頭にあった方が使い勝手が良いので。

4. "2D Animation"タブを右クリックする
4. "2D Animation"タブを右クリックする

上図のように"2D Animation"タブをマウスの右ボタン(マウスの右ボタン)でクリックします。

5. Reorder to Frontを実行する
5. Reorder to Frontを実行する

上図のようにメニューが表示されますので、"Reorder to Front"を実行します。

6. 2D Animationが先頭に移動する
6. 2D Animationが先頭に移動する

上図のように2D Animationのタブが先頭に移動します。

  
Reorder to Backで末尾に移動させることができます。

続いて、カラーマネジメント(色管理)の設定を行います。 Generalの新規ファイルのカラーマネジメントは3DCG向けになっており、2Dアニメーションでは色が暗くなってしまいます。

7. Render Propertiesタブをクリック
7. Render Propertiesタブをクリック

上図のようにPropertiesのRender Propertiesタブをクリックします

8. Color ManagementパネルのView TransformをStandardに切り替える
8. Color ManagementパネルのView TransformをStandardに切り替える

上図のようにレンダリング関連の項目群が表示されますので、Color ManagementパネルのView TransformをStandardに変更します

  
Generalの新規ファイルでは、View Transformは Filmic に設定されています(Blender 4.X系では AgX)。 Filmic ではフィルム調の色変換が行われます。 3DCGの場合はそれで良いのですが2Dアニメーションの場合は暗くなってしまいます。 Filmic については公式マニュアルで以下のように記載されています。
  
For photorealistic results and better handling of high dynamic range colors. The contrast can be adjusted by changing the Look option for the Filmic view transform.
 
- 引用元 -
https://docs.blender.org/manual/en/3.1/render/color_management.html
  
一方、View Transformを Standard に設定すると色変換は行われません。 2Dアニメーションの場合は、View Transformを Standard にしましょう。

次に、仮想世界の環境光の色と3D Viewportの背景の色を変更します。 2Dアニメーションを制作するには、作業時もレンダリング結果も背景は白色が望ましいので、そのための設定です。

9. World Propertiesタブをクリック
9. World Propertiesタブをクリック

上図のようにPropertiesのWorld Propertiesタブをクリックします

10. 環境光と3D Viewportの背景色を白色に変更する
10. 環境光と3D Viewportの背景色を白色に変更する

上図のようにWorld Propertiesタブに切り替わりますので、SurfaceパネルのColorとViewport DisplayパネルのColorをどちらとも白色に変更します

  
SurfaceパネルのColorの白色は完全不透明(A=1.0)に設定してください。

では、視点を正面図の位置へ移動しましょう。 キーボードのテンキーの1を押します。

  
2Dアニメーションを制作しますので、以降は正面図のままで作業を進めます。
11. 正面図の位置へ視点を移動する
11. 正面図の位置へ視点を移動する

上図のように正面図の位置へ視点を移動します。 ただし、表示倍率が高すぎて立方体のメッシュ以外が見えません。 ズームアウトして表示倍率を下げましょう

キーボードのテンキーの-(マイナス)を押すか、マウスのホイール(マウスのホイール)の下回転でズームアウトしましょう。

12. ライトとカメラが見える
12. ライトとカメラが見える

上図のようにライトとカメラが見えるようになりました。 Generalの新規ファイルを開きましたから、当然、ライトとカメラがあります。


カメラは必要ですが、立方体のメッシュとライトは不要ですので削除しましょう

  
2Dアニメーションでも、ライトの影響を受けさせることは可能です。 ただし、その場合は立体感のある2Dアニメーションになります。 2.5Dアニメーションとでも言えばいいでしょうか。
  
この記事で制作するアニメーションではライトの影響は受けさせません。 よって、ライトは削除します。
13. 立方体のメッシュとライトを選択する
13. 立方体のメッシュとライトを選択する

上図のように立方体のメッシュとライトを選択します。 では、まとめて削除しましょう、キーボードのXを押します

14. Deleteを実行
14. Deleteを実行

上図のように"OK?"というタイトルのメニューが表示されますので、"Delete"を実行します(またはキーボードのEnterキーを押します)。

15. 立方体のメッシュとライトが削除される
15. 立方体のメッシュとライトが削除される

上図のように立方体のメッシュとライトが削除されます。 オブジェクトはカメラのみになりました

  
これからグリースペンシルで描く絵は正面図の位置から描きます。 よって、カメラも正面図の位置へ移動させる必要がありますが、それは最後に実施します。

ではここで、3D Viewportのヘッダのモード選択リストを見てみましょう。

16. モード選択リストには "Object Mode" しか選択肢がない
16. モード選択リストには "Object Mode" しか選択肢がない

上図のようにモード選択リストには "Object Mode" しかありません。 立方体のメッシュを削除したためです


続いて、グリースペンシルで絵を描けるようにします。 そのためには、前の記事で説明したようにグリースペンシルオブジェクトが必要です

では、グリースペンシルオブジェクトを追加す。 キーボードのSHIFT+Aを押します

17. Grease Pencil -> Blankを実行
17. Grease Pencil -> Blankを実行

上図のように"Add"というタイトルのメニューが表示されますので、"Grease Pencil" -> "Blank"を実行します。

18. 空のグリースペンシルオブジェクトが追加される
18. 空のグリースペンシルオブジェクトが追加される

上図のように空のグリースペンシルオブジェクトが追加され、かつ、選択された状態になります。 ただし、内部にストロークを持っていないためオブジェクト中心(オブジェクト中心)しか見えていません。

  
Addメニューから "Grease Pencil" -> "Blank" を実行したため空のグリースペンシルオブジェクトが追加されました。

ではここで、画面右上のOutlinerを見てみましょう

19. グリースペンシルオブジェクトが追加され選択されている
19. グリースペンシルオブジェクトが追加され選択されている

上図のようにグリースペンシルオブジェクトが追加され、かつ、選択されています。

『グリースペンシルオブジェクトが選択されている』ということは、ドローモードが使えるようになったということです。 さっそく、ドローモードに切り替えましょう。

20. モード選択リストをドローモードに切り替える
20. モード選択リストをドローモードに切り替える

上図のようにモード選択リストをドローモードに切り替えます。 これで、いつでもグリースペンシルで線を引ける状態になりました

2D Animationの新規ファイル(トップバーのプルダウンメニューの"File" -> "New" -> "2D Animation")であれば、すぐにグリースペンシルで線が引けますが、Generalの新規ファイルから始めると、このように手間がかかります。

キャラクタを描く

続いて、アニメーションさせるキャラクタを描きます。 "キャラクタ" と言うと大げさですが、単なる円です。 境界線が黒色で内部の塗りが赤色の円を描きます。

まずは、ブラシ(ペン先)を変更します。 初期のブラシの "Pencil" は線が細いため "Ink Pen" に変えましょう。

1. ヘッダからブラシを変更する
1. ヘッダからブラシを変更する

上図のように3D Viewportのヘッダからブラシ選択リストを(1)のようにクリックし、表示される一覧から(2)の "Ink Pen" を選択します。

次に、ツールを変更します。 ドラッグで円を描くことができる円ツールに切り替えます。

2. ツールバーの円ツールを選択
2. ツールバーの円ツールを選択

上図のように3D Viewportの左端にあるツールバーから円ツールを選択します(またはキーボードのSHIFT+スペースキー -> SHIFT+2を押します)。

では、円を描きましょう。 描きたい円を囲む矩形の対角線をマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグします。

3. 描きたい円を囲む矩形の対角線をドラッグ
3. 描きたい円を囲む矩形の対角線をドラッグ

上図のように描きたい円を囲む矩形の対角線をドラッグします。 赤色の矢印はドラッグの動きを表しています。

4. 円が描かれる
4. 円が描かれる

上図のように円が描かれます。 ただし、まだ確定はされていません。 現状、位置や大きさの調整が行える状態です。

調整は左上と右下に描かれている黄ハンドルで行います。 この黄ハンドルをマウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグすることで、位置や大きさを調整することができます。 なお、赤色の点は中心位置を表しています。

では、黄ハンドルで大きさを調整してみてください。

5. 黄ハンドルで大きさを調整する
5. 黄ハンドルで大きさを調整する

上図のように黄ハンドルで大きさを調整します。 今回の例では小さくしてみました。

調整を終えたら、キーボードのEnterキー(またはマウスの中ボタン(マウスの中ボタン)のクリック)で確定します。

6. 確定されて黄ハンドルが消える
6. 確定されて黄ハンドルが消える

上図のように確定され、黄ハンドルが消えます。 境界線が黒色で内部が塗られていない円が描かれました。


次に、内部を赤色で塗ります。 マテリアルの設定を変更することで内部を塗ることができます。

7. Material Propertiesタブをクリック
7. Material Propertiesタブをクリック

上図のようにPropertiesのMaterial Propertiesタブをクリックします

8. マテリアルのFillを赤色に変更する
8. マテリアルのFillを赤色に変更する

上図のようにMaterial Propertiesタブに切り替わります。 マテリアルスロットの一覧で (1)の "Black" が選択されていることを確認し、Surfaceパネルの(2)のFillをオンにし、(3)のBase Colorに完全不透明の赤色を設定します。

  
Base Colorの赤色は完全不透明(A=1.0)に設定してください。

では、3D Viewportを見てみましょう。 どう変化したでしょうか。

9. 内部が赤色で塗られている
9. 内部が赤色で塗られている

上図のように内部が赤色で塗られています。 希望通りの絵を用意することができました。

次の記事へ

では、長くなりましたので、ここで一区切りします。 続きは次の記事を参照ください

  

まとめ

Generalの新規ファイルから作業を始めた場合でも、ワークスペース "2D Animation" を追加することで簡単に2Dアニメーション向けのレイアウトに変更することができます。

既存の3Dアニメーションのドキュメント(Blenderファイル)に2Dアニメーションを追加する場合にも便利な手順です。

なお、Generalの新規ファイルから作業を始めた場合は、カラーマネジメントの設定を変更しなければ色が暗くなってしまいます。 Render PropertiesのColor ManagementパネルのView TransformをStandardに切り替えましょう。

また、3D Viewportの背景色およびレンダリング時の背景色も変更することをおすすめします。 World PropertiesのSurfaceパネルのColorおよびViewport DisplayパネルのColorを白色に変更しておきましょう。

グリースペンシルで絵を描くためには、グリースペンシルオブジェクトを追加する必要があります。

操作/コマンド 説明
SHIFT+A
-> "Grease Pencil"
-> "Blank"
空のグリースペンシルオブジェクトを追加する

追加したグリースペンシルオブジェクト選択することで、絵を描くためのドローモードに切り替えることができます。

モード 解説
ドローモード グリースペンシルで絵を描く

ドローモードに切り替えたら、3D Viewportの左端にあるツールバーからツールを選択します。 各ツールの機能は以下の通りです。

ツール 機能
ドローツール マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)のドラッグで線を引く
円ツール マウスの左ボタン(マウスの左ボタン)でドラッグした矩形に内接する円/弧を作成する
メニュー